メジャースケールと併せて覚えておきたいのが「マイナースケール」です。
手グセとしてマイナースケール(マイナーペンタトニックスケール含む)を弾いている人は多いかと思いますが、スケール自体をきちんと理解している人は意外と少ないです。
今回はマイナースケールの覚え方やフォームで覚える方法などを解説していきますので、よろしければ参考にしてみて下さい。
メジャースケールの理解がまだという人は先にこちらの記事をお読み下さい。
マイナースケールって何?
マイナースケールは
マイナー(短)
スケール(音階)
という感じで、短音階の事を指します。
一般的には暗い雰囲気・哀愁がある雰囲気の音階と言われていますね。
ハードロックやメタル系の音楽が好きな人は知らずのうちに触れている音階です。
バンド音楽はマイナースケール使用率が高いので、メジャースケールよりも弾く機会は多いと思います。
ちなみに、Cのメジャースケールはドレミファソラシドとなっており、ピアノの白鍵だけで弾く事ができますが、Cのマイナースケールはドレミ♭ファソラ♭シ♭ドという感じで途中途中に「♭(フラット)」が付き、白鍵だけでは弾けません。
定義としては、メジャースケールの3度・6度・7度(CメジャースケールだとE・A・B)の音を半音下げた音階となっています。
メジャースケールとマイナースケールの関係性
マイナースケールを覚える際に分かりやすいのが、メジャースケールとの関係性を知る事です。
メジャースケールは主音を始めとして「全全半全全全半」という音程で作られています。
マイナースケールは主音を始めとして「全半全全半全全」という音程で作られています。
勘の良い人ならもう気付いているかもしれませんが、始まるポイントは違いますが2つのスケールは同じ音程で作られているわけです。
メジャースケールの6個目の「全」からループさせると「全半全全半全全」という並びになりますよね。
つまり、Cメジャースケールの6番目の音である「A」から並べていくとAマイナースケールが完成するという事です。
構成音だけで言えばCメジャースケール=Aマイナースケールなんですね。
マイナースケールは実は3種類あります
マイナースケールには
・ナチュラルマイナースケール
・ハーモニックマイナースケール
・メロディックマイナースケール
の3種類があります。
ここまで解説してきたのは、最も一般的なナチュラルマイナースケールの事です。
上の項目でも書いたとおり、ナチュラルマイナースケールはメジャースケールと関係性が深い音階です。
しかし、その関係性を少し”いびつ”にしたのがハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールなんですね。
ハーモニックマイナースケールは、ナチュラルマイナースケールの7度の音が半音上がったスケールです。
主音の1つ手前(7度)の音がメジャースケールと同じ半音間隔になる感じですね。
つまり、6度と7度の間隔が半音3つ分も空く形となり、順番に弾いていくとかなり独特な響きで主音に帰結します。
いわゆるクラシカルメタル系御用達のスケールで、ハーモニックマイナースケールを取り入れると一気にクサメロ感が増しますね。(けなしているわけではありません)
そのクサメロ感を和らげたのがメロディックマイナースケールです。
メロディックマイナースケールはハーモニックマイナースケールの6度の音を半音上げる事で、半音3つ分空いてしまう不自然さを解消したスケールです。
それによって主音から「全半全全全全半」という音程の間隔となり、3度の音だけが半音下がったメジャースケールという解釈もできます。
そのため、マイナー感はありながらもクサさがないバランスの良い音階で、ジャズ・フュージョン系でよく登場します。
まずはナチュラルマイナースケールをしっかり理解する事が大切ですが、その派生形があるという事も頭に入れておきましょう。
ナチュラルマイナースケールの一覧表を作ってみた
メジャースケールの記事でも書きましたが、すべてのキーのナチュラルマイナースケールを表にまとめてみました。
非常に見づらい表ですが、指板図と照らし合わせて音を確認してみて下さい。
主音 | 全 | 半 | 全 | 全 | 半 | 全 | 全(主音) |
C | D | E ♭ | F | G | A ♭ | B ♭ | C |
D♭ | E ♭ | E | G ♭ | A ♭ | A | B | D ♭ |
D | E | F | G | A | B ♭ | C | D |
E♭ | F | G ♭ | A ♭ | B ♭ | C ♭ | D ♭ | E ♭ |
E | G♭ | G | A | B | C | D | E |
F | G | A ♭ | B ♭ | C | D ♭ | E ♭ | F |
G♭ | A♭ | A | C♭ | D♭ | D | E | G♭ |
G | A | B♭ | C | D | E♭ | F | G |
A♭ | B♭ | C♭ | D♭ | E♭ | F♭ | G♭ | A♭ |
A | B | C | D | E | F | G | A |
B♭ | C | D♭ | E♭ | F | G♭ | A♭ | B♭ |
B | D♭ | D | E | G♭ | G | A | B |
ナチュラルマイナースケールをフォームで覚える
こちらもメジャースケールの記事で書きましたが、ギターは全ての弦が半音刻みで配置されているため、フォームで覚えてしまえば全ての音を主音とするナチュラルマイナースケールが弾けるようになります。
「◎」が主音ですので、主音をずらしながら色々なキーでマイナースケールを弾いてみて下さい。
6弦ルートのナチュラルマイナースケール(Gマイナースケール)
5弦ルートのナチュラルマイナースケール(Cマイナースケール)
4弦ルートのナチュラルマイナースケール(Fマイナースケール)
まとめ
というわけで今回はマイナースケールについて解説してきました。
バンド音楽では登場頻度の高いスケールですし、アドリブやギターソロなどでも頻繁に使います。
メジャースケールとマイナースケールをきちんと理解すれば、他のスケールの理解もかなりしやすくなりますので、しっかり覚えておきましょう。