手が小さい・指が太い・指が短いという事を理由に「ギターに向いていない」と考えていませんか?
ギターを始めようと思っていても手や指がネックになってしまう…
ギターが上達しないのは手や指のせいかもしれない…
全然そんなことはありません!
今回は手の大きさや指の長さとギターの上達の相関性や具体的な上達法などについて解説していきます。
手が小さくても指が太くても指が短くてもギターは弾けます
いきなり結論を出してしまいましたが、手が小さかろうが指が太かろうが指が短かろうがギターは弾けますし上達の見込みも充分にあります。
まずはそこを解説していきましょう。
指の長さはナット幅をカバーできるだけあれば良し
ギターの指板の幅をナット幅と言いますが、通常の6弦エレキギターのナット幅は4.2cm~4.5cm程度です。
これは何を意味するかと言いますと、「手が小さいと抑えづらい」と巷で噂のFコードのセーハをする人差し指は4.5センチ程度あれば大丈夫という事になります。
セーハ=同フレットの複数弦を1本の指で押さえる事。
(Fコードの場合は1弦から6弦を人差し指で押さえる事をセーハと言います)
ちなみに日本人女性の人差し指の長さの平均は6.6cm程とされていますので、ナット幅をカバーできない人差し指の人はほぼ居ないと言っても良いでしょう。
それでも「Fコードが押さえづらい!」と思うのであれば、人差し指の側面でセーハするように意識してみて下さい。
他の指の可動域や力の入れやすさが格段にアップしますので、押さえやすくなること間違いなしです。
指の太さは海外のスーパーギタリストの方が断然太い
次に指の太さについてですが、タイトルのとおり海外のスーパーギタリストの方が断然太いです。
海外のギタリストは体格も大きい人が多いので、相対的に手はそこまで大きく見えないかもしれませんが、日本人と比べると手が大きく指も太いです。
「グローブのような手」と揶揄されるスティーヴィー・レイヴォーンも手が大きく指もゴツゴツしてますが、早いパッセージの超絶プレイをバシバシこなします。
指が太いと隣接弦のミュートが押さえている指で出来たり、1本の指で2本の弦を押さえられたり、意外とメリットもあるんですよ。
手が大きい=ギターに向いている?
一般的に手が大きい=ギターに向いていると言われがちですが、全然そんなことはありません。
ギターを弾かない一般人からも「日本人でギターがめっちゃ上手い人」の代表格として挙げられるB’zの松本孝弘さんは、過去に手形を公開した際に手の大きさが16.5cmほどとされていました。(女性ファンの方が手が大きかったという情報も…)
あれだけのギターテクニックを持っている人が、日本人の女性の平均レベルかそれより小さいくらいの手の大きさだなんて驚きですよね。
ではなぜ「手が大きい=ギターに向いている」と言われるかといいますと、シンプルに初心者の先入観によるものだと私は考えます。
・コードを抑える時に簡単に届きそうだなぁ
・ソロを弾く時に指が簡単に届きそうだなぁ
というイメージが先行してしまったり、自分が上手く出来ない時に羨望の対象にしてしまったりする事で、手の大きさをギターの適正を計る要素にしているのでしょう。
ある程度練習を重ねていくと、自分の手の大きさに合ったプレイスタイルが自然と身に付いてきますので、中級者以上で手の大きさを気にしている人なんてゼロに等しいです。
「左手の指が届かないなら右手でタッピングすれば良いでしょ」
「コードを押さえづらいなら省略コード鳴らせば良いでしょ」
という感じで知識が増える事によってカバーする技を身に付けていくわけです。
そもそもバンドアンサンブルにおけるエレキギターの立ち位置で、Fコードを6弦のルート含めて全部鳴らす必要って、弾き語り的なセクションでもない限りはほぼ無いですからね。
大切なのは柔軟性と運指イメージとフォーム+練習量
手の大きさや指の太さ、指の長さなどがギターの上達に関係が無いという事は分かっていただけたかと思いますが、「じゃあ上達するには何を意識すれば良いの?」という事も気になりますよね。
タイトルのとおり
・指や手首の柔軟性
・頭のイメージと運指の連動
・運指をスムーズにするフォーム
・練習量
この4つが上達のポイントとなります。
指や手首の柔軟性
指や手首の柔軟性に関しては、ギターを持たずにストレッチやトレーニングをすることで充分にまかなえます。
無理のない範囲で指を押し広げてみたり、手首をグルグル回したり伸ばしたりという感じですね。
こちらの記事で詳しく書いていますので参考にしてみて下さい。
頭のイメージと運指の連動
そして頭のイメージと運指の連動については、次に押さえるコードやポジションを頭の中で先読みするクセを付ける事です。
初心者のうちはリアルタイムに押さえているポジションの事ばかり意識してしまいますが、
コードに関して4小節先くらいまでを頭でイメージして組み立てておき、ソロなどの場合は自分の中でフレーズをブロック分けをしておいて、ポジション移動や使用するテクニックのイメージを頭の中で作っておきましょう。
頭でイメージが出来ていれば、自然と指も付いてくるようになります。
運指をスムーズにする左手のフォーム
次に運指をスムーズにするフォームですが、画像で解説していきます。(記事執筆時に手元にギターが無かったのでペットボトルをネックに見立てています・笑)
まずは手をチョップの状態にします。
そして、その状態のまま親指と人差し指の間にネックを挟みます。
そして指を倒すように握り込みます。
別角度から見るとこんな感じですね。
これが指に力を入れやすく押さえやすい「正しいフィンガリングフォーム」です。
ダメな例も載せておきますと、手を「4」のような状態にします。
そこにネックを挟みます。
そのまま握るように押さえます。
このフォームは指に力が入りづらくコードが握りづらいのでNGです。
両方を試してみると違いを分かってもらえるかと思いますので、ぜひ試してみて下さい。
あとは練習あるのみ
ギターの技術の大半は反復練習の賜物です。
・指が上手く開かないなら毎日の練習前や空き時間にストレッチ
・運指のイメージが頭で作れないなら、まずはギターを持たずにコードの流れやフレーズを覚え、頭に入ったらギターで実践
・常に正しいフォームを意識して練習
この3項目を意識して練習を継続すれば、手が小さかろうが指が短かろうが指が太かろうが上達します。
自分が上手く弾けないのを手やギターのせいにするのは、ゲームで上手くいかない時にゲームのハードのせいにするのと一緒です。
手やギターというハードのせいにするのではなく、方法やフォームなど、自分の頭の中で片付くソフトの部分に目を向けましょう。
手が小さい人に合うギターって何?
「手が小さいんですけど、どのギターが良いですか?」
初めてギターを買う際に楽器店の店員さんにする、いわば”あるある的な質問”です。
私が店員さんなら「多少の違いはありますが、慣れでカバーできるレベルなので気に入ったデザインのものを試してみて下さい」と答えます。
もちろんネックが薄く作られているギターもありますが、薄いネックのギターだからといってナット幅が狭いわけではありませんし、ある程度厚みのあるネックで握り込める方が良かったりもします。
手が小さいからといってギターの選択の幅は変わりません。
・カッコいいと思うカラーや形
・好きなアーティストと同じもの
・予算の範囲で一番高いギター
最初の1本はギターを続けるモチベーションに直結しますので、変にプレイアビリティを考えず、好きなものを選びましょう。
練習していくうちにネックが手に馴染んできます。
まとめ
というわけで手の大きさとギター上達の相関性、手が小さくてもOKなギターの上達法やギターの選び方について解説してきました。
結論としては「手が小さい事はギターの上達において大した弊害にならない。」という事です。
コンプレックスとして頭にある人は、さっさとその考えを捨てましょう。
記事内ではB’zの松本さんの例を出しましたが、他にも村治佳織さんや渡辺香津美さんといった日本が誇るトップギタリストも手が小さいとされています。
手が大きい人は手が大きい人なりのフォームがありますし、手が小さい人には手が小さい人なりのフォームがあります。
私の経験からくる知識や考え方なども含めて書いてきましたが、ギターを楽しみながら上達するために役立てていただけたら幸いです。