ギターを弾く上で、スケールが頭に入っていると入っていないのではアドリブやフレーズを構成する際に結構差が出ます。
感覚的にこなせる人もいますが、そういう人は手グセのフレーズに頼りがちです。
また、ギタリストの傾向としてマイナースケールは得意だけどメジャースケールは苦手という人が多いです。(これはバンド系の楽曲にマイナーキーの曲が多いからだと考えらえます)
そこで今回は、メジャースケールの覚え方を分かりやすく書いていきますので、きちんと理解して頭の片隅に置くようにしてみて下さい。
メジャースケールって何?
メジャースケールは
メジャー(長)
スケール(音階)
といった感じで、長音階の事を指します。
ギターだけでなく、全ての楽器や歌などに共通する音階の1つと言ったところでしょうか。
最も分かりやすい例を出すと、ドレミファソラシドはC(ド)のメジャースケールです。
ピアノでいうと白鍵だけを弾いていれば「Cメジャースケールを弾いている」という事になります。
ドレミファソラシドだけの音程で作られた曲を歌えば、それは「Cメジャースケールの範囲で歌っている」という事になります。
「メジャースケール=白鍵だけではない」という罠
・メジャースケールはドレミファソラシドですよ~
・ピアノで言うと白鍵がメジャースケールですよ~
という感じで、ドレミファソラシドや白鍵を例に出す教則本や雑誌などのメディアが多いので、メジャースケールを勘違いして覚えてしまう人が多いです。
私含めギタリストは8割がたアホなので、そういった情報を目にすると
メジャースケールはドレミファソラシドなんだ!
メジャースケールは白鍵なんだ!
みたいに短絡的な覚え方をする傾向があります。
そう覚えてしまうと、例えば「Dメジャースケールはレミファソラシドレだ!」「Eメジャースケールはミファソラシドレミだ!」みたいな事になってしまうわけです。
ドレミファソラシドや白鍵の例は、あくまで「C」メジャースケールの話だという事を理解しましょう。
メジャースケールの覚え方は「全全半全全全半」
スケールは規則性に基づいた音列です。
決まった音程(インターバル)を持っており、音程の運び方で覚える事が大切です。
そこで出てくるのが「 全全半全全全半 」ですね。
まず大前提として、全は全音(半音2つ分・1音と呼ぶ事も)、半は半音(半音1つ分)を指します。
ピアノもギターも半音刻みで鍵盤やフレットが配置されていますが、ギターで考えると、全音はフレット2つ、半音はフレット1つという感じですね。
上の図はCメジャースケールをピアノの鍵盤で表したものですが、EとFの間とBとCの間に黒い鍵盤(鍵盤)が無く、鍵盤1つ分の音程になっている事が分かるかと思います。(他の音程は間に黒鍵が挟まっている)
つまり、EとF、BとCの間は半音(半)、他は全音(全)で成り立っているのがCメジャースケールなんです。
これを音程順に並べると、画像にも書いたように「全全半全全全半」という並びになり、この音程がメジャースケールの規則性となります。
では試しにDメジャースケールを見てみましょう。
要はDから全全半全全全半で進行したもの→Dメジャースケールという感じです。
前の項目で書きましたが、単純にレミファソラシドレにはなっていませんよね。
ギターで確認する時は、とりあえず1弦上で全全半全全全半をなぞってみるところから始めると良いでしょう。
レギュラーチューニングだと5弦3フレットがCですので、そこから2フレット・2フレット・1フレット・ 2フレット・2フレット・ 2フレット・1フレットと進行していけばCメジャースケールです。
メジャースケールは様々なスケールを覚える際の基準にもなりますので、「全全半全全全半」は呪詛のように毎日唱えて覚えましょう。
メジャースケールの一覧表を作ってみた
めちゃくちゃ見づらい図になってしまいましたが、全てのキーのメジャースケールを表にまとめてみました。
下の指板図と照らし合わせるとイメージが湧きやすいかと思います。
参考にしてみて下さい。
主音 | 全 | 全 | 半 | 全 | 全 | 全 | 半(主音) |
C | D | E | F | G | A | B | C |
D♭ | E♭ | F | G♭ | A♭ | B♭ | C | D♭ |
D | E | F# | G | A | B | C# | D |
E♭ | F | G | A♭ | B♭ | C | D | E♭ |
E | F# | G# | A | B | C# | D# | E |
F | G | A | B♭ | C | D | E | F |
G♭ | A ♭ | B ♭ | C ♭ | D ♭ | E ♭ | F | G ♭ |
G | A | B | C | D | E | F# | G |
A♭ | B ♭ | C | D ♭ | E ♭ | F | G | A ♭ |
A | B | C# | D | E | F# | G# | A |
B♭ | C | D | E ♭ | F | G | A | B♭ |
B | C # | D # | E | F # | G # | A # | B |
メジャースケールをフォームで覚える
これはコードの覚え方の記事でも書いてますが、ギターは全ての弦が半音刻みです。
つまり、Cメジャースケールのフォームを覚えてしまえば、それを丸ごと1フレットずらすとD♭メジャースケール、更に1フレットずらすとDメジャースケールという事になります。
後々のスケール理解のために指板上の音を覚える事は大切ですが、とりあえずフォームで指に覚えさせて、あとで構成音を辿るという覚え方でも良いかなと思います。
各弦ルートのフォームに関しては、ギターを弾く上で最も弾きやすい(と思われる)1弦につき3音ずつのフォームで書いてますので、「分かりづらいわ!」という方は指板図からオリジナルのフォームを考えてみて下さい。
6弦ルートのメジャースケールフォーム(Fメジャースケール)
5弦ルートのメジャースケールフォーム (Cメジャースケール)
4弦ルートのメジャースケールフォーム (Eメジャースケール)
まとめ
今回はメジャースケールの定義や覚え方などについて解説してきました。
まず第一に覚えるのは「全全半全全全半」です。
これは唱えるように覚えましょう。「メジャースケールは全全半全全全半」と。
そして、メジャースケールの音の感じを味わいたい人は、フォームを覚えて上から順番に弾いてみて下さい。
ちなみに1弦ごとに3音刻みのフォームは速弾きもしやすいです。(笑)
メジャースケールを理解すると、マイナースケールも理解しやすいですし、ドリアンだのリディアンだの異国の言葉感溢れるスケールも理解しやすいです。
また、頭で理解しておくと、急に「この曲にソロ入れてみて!」とか「アドリブで何か弾いて!」とか言われた時にフレーズを組み立てやすくなりますし、手グセやフレーズ集に頼らなくても良くなります。
「スケールとか難しくて無理っす」と毛嫌いしている人も、この記事を見てしまった事をキッカケに覚えてみる事をオススメします。