《初心者向け》チョーキングのコツ・種類・練習法・注意点を全網羅

チョーキングが上手く決まらない
チョーキングの音が安定しない

チョーキングは痛いからイヤ!
チョーキングってどんな種類があるの?
そもそもチョーキングって何?

という人たちに向けてチョーキングのコツや知識を網羅した記事を書いてみました。

チョーキングに苦手意識を持っていたり、そもそもチョーキングをちゃんと知らないという人は、ギターを触る前に読んで知識を付けていただけたらと思います。

長い記事ですが、自分に必要なポイントをピックアップして参考にしていただけたら幸いです。

Contents

《超重要》チョーキングは手首の捻りを使う

チョーキングをする際に最も大切なのは指だけでチョーキングをしないという事です。

指だけでチョーキングをするクセがついてしまうと
・音が安定しない
・腱鞘炎になりやすい

といったリスクがあり、ギタリスト的には大きなマイナスです。

注:変質者の手つきではありません。

まずは上の動画のようにギターを持たずに手首を横に回転させるイメージを掴んで下さい。

よく「ドアノブを回す感覚」と言われていますが、パチンコやラジコンのコントローラーの右手の動作に近いと私は思ってます。

横回転のイメージが掴めたら、実際にネックを握ってチョーキングを試してみましょう。

指の力だけでチョーキングをしていた人は一気に楽になります。

チョーキングを上手に聴かせるコツ

「チョーキングは知ってるけど何かしっくり来ないんだよなぁ…」と思っている人向けに、チョーキングを上手く聴かせるためにテクニックや上達のコツを網羅していきましょう。

基本は薬指に中指を添えるフォーム

チョーキングをする指(弦を持ち上げる指)は状況によって使い分けますが、基本的には薬指でチョーキングして中指を薬指に添える形がベターです。

令和の時代とは到底思えない画像で申し訳ないですが、チョーキングしている時の手のイメージは上のような感じです。

チョーキングした指を他の指で支えてあげる事で、チョークアップする動作もスムーズかつスピーディになりますし、音も安定しやすいです。

例えば8フレットでチョーキングをする場合、画像のように薬指で8フレット、中指で7フレットあたりを抑えて一緒に持ち上げるイメージです。

人差し指&親指で他の弦に軽く触れてミュート

チョーキングは指板上で指を上下する運動ですので、他の弦に指が触れてしまったり、他の弦と共振することで不要な音が鳴ってしまうリスクがあります。

そのリスクを低減するために、人差し指や親指を使って他の弦をミュートしてあげる必要があるわけですね。

ミュートの仕方はチョーキングする弦によって変わりますし、手の大きさや指の長さなどでも変わってきますので、人差し指や親指を使ってちょうど良いポジションを見つけましょう。

また、ピッキング側の手の側面や指でミュートするのもアリです。

例えば2弦・3弦あたりをチョーキングする時は、ピッキング側の薬指や小指などで1弦・2弦辺りをミュートしたりします。

目的の音まで素早く上げる

チョーキングは、目的の音まで上げるスピードが速いほどフレーズの勢い・スピード感が増してカッコよく聴こえます

ニュアンスを付けるためにゆっくりと上げるパターンもありますが、そうでない限りは瞬時に目的の音まで上げるように意識しましょう。

1~3弦は上にあげる、4~6弦は下に引っ張る

これは人によって様々で、3弦を下に引っ張る人もいれば4弦を上にあげる人もいるのですが、基本的には1~3弦は上に、4~6弦は下にと覚えておけば良いでしょう。

クォーター~半音チョーキングくらいであればどちらに引っ張っても良いですが、1音半~2音チョーキングなどの過激なチョーキングをする場合は、上げ幅が足りなくなる&上げづらい(引っ張りづらい)場合がありますので、普段から3弦は上・4弦は下を意識した方がスムーズです。

チョーキングする音選びは5フレット以降がベター

ギターの弦の張り方の関係上、低音域のフレット(1~4フレットあたり)は弦を持ち上げづらい(引っ張りづらい)です

低音フレットで頑張ってチョーキングしようとすると、チョーキングに対して「痛い」とか「重い」のようなネガティブな印象を受けてしまいます。

チョーキングに慣れてからは好きにすれば良いと思いますが、最初のうちは5フレット以降で練習すると上達しやすいでしょう。

素早く目的の音に上げる感覚を掴むためには上げやすいポジションで練習する事が大切です。

チョーキング後のビブラートは下に

チョーキングで音を上げた後にキレイに ビブラート を掛けられるとかなりポイントが高いです。

通常の ビブラートは基準になる音の上側に揺らしますが、チョーキング後の ビブラートのコツは上ではなく下に揺らす事です。

ここでいう「下」は、ポジションの上下ではなく音程的に下に揺らすという意味ですね。

チョークアップした音をさらに上にあげて揺らすのはご法度ですので注意しましょう。

イメージとしてはチョーキング後の音をしっかり決めて、そこに向かって何回も細かいチョーキングを繰り返す感じです。

チョーキングの種類

全音チョーキング

最も一般的なチョーキングの種類の1つですね。

全音(半音2つ分)の音を上げるチョーキングで、譜面上の表記では「cho.」「full」「c」と書かれます。

Cの音が基準とすると、Dまで上げるチョーキングです。

半音チョーキング

こちらも使用頻度の高いチョーキングです。

その名のとおり半音分の音を上げるチョーキングで、譜面上の表記は「h.cho.」「H.C」「1/2」と書かれます。

Cの音を基準とすると、C#まで上げるチョーキングですね。

クォーターチョーキング

こちらも使用頻度の高いチョーキングです。

半音のさらに半分(4分の1音)を上げるチョーキングで、譜面上の表記は「Q.C」「1/4」と書かれます。

厳密な音程はありませんが、半音未満のチョーキングはクォーターチョーキングという認識で良いです。

全音半チョーキング(1音半チョーキング)

ギターソロの掴みやフレーズにインパクトを付けるために使われることが多いチョーキングですね。

全音+半音(半音3つ分)の音を上げるチョーキングで、譜面上の表記は「1h.cho」「1H.C」と書かれます。

このあたりから1弦で行うと弦が切れるリスクが上がり始めます。

2音チョーキング

全音半チョーキングよりもさらにインパクトを出したい時に使われるチョーキングです。

全音2つ分(半音4つ分)上げるチョーキングで、譜面上の表記は「2C」と書かれます。

1弦でやろうとすると弦が切れるリスクがかなり高いです。

低音弦~2弦までで行うのがベター

譜面上で見ることはほぼありませんが、この上に2音半チョーキング「2H.C」もあります。
弦が切れるスリルとの戦いになります。

ポルタメントチョーキング

今までのチョーキングとは違い、音程を指すものではありません。

目的の音までゆっくり上げるチョーキングをポルタメントチョーキングと言い、譜面上では「port.c」という表記で書かれます。

譜面の場合は音の長さ(音価)が指定されている場合が殆どですので、音価を目いっぱい使い、音の終盤に向かってジワジワと目的の音に上げていきます。

音の上げ幅については、譜面上に指定が無い場合は基本的に全音、別途表記がある場合はその記号に合わせた上げ幅になります。
もしくはチョーキング後の音符を見ると上げ幅が分かります。

チョークアップ

これもわりと登場頻度多めですね。

チョーキングで音を上げた状態でピッキングをするという技術で、譜面上では「U」と音符の上に書かれます。

チョーキングの上げる動作の段階では音が出ていないので、手の間隔に頼る部分が大きい技術です。

チョーキングで音を鳴らした後にそのままピッキングをし続ける際にも使用されます。

チョークダウン

チョーキングの後に元の音に戻す技術で、譜面では「D(ダブルチョーキングの場合はW.D)」と書かれます。

チョーキングをしたまま音を切る場合(音が減衰する場合)を除いては、チョーキングの記号とセットで使用されます。

譜面上ではチョークダウンし終わるまでの音の長さが指定されている場合が多いです。

ダブルチョーキング(ダブルベンド)

これまでのチョーキングは1本の弦を使うものでしたが、ここからは2本の弦を使うチョーキングです。

ダブルチョーキングは名前の通り2本の弦を同時にチョーキングする技術で、譜面上では「W.C」と表記されます。

隣接する弦で行い、中指・薬指の組み合わせで行う事が多いですかね。

下で紹介するハーモナイズドチョーキングと混同されがちですが、譜面上の両方の音にチョーキングの記号が掛かっているのがダブルチョーキングです。

ハーモナイズドチョーキング

ダブルチョーキングと非常に似ているのですが、2音の片方(下の音)を持ち上げて、上の音と3度のハーモニーを作るのがハーモナイズドチョーキングですね。

毎度ゴミみたいな図で申し訳ないですが、上の図は最もポピュラーな3弦7フレットと2弦8フレットのハーモナイズドチョーキングを表しています。

2弦8フレットはそのまま、3弦7フレットの音を9フレットの音まで持ち上げる感じですね。

「最初から3弦9フレットと2弦8フレットの和音を弾けば良くない?」と思う方もいるかもしれませんが、下の音をチョークアップして持ってくる事で独特のニュアンスが生まれます。
実際に弾き比べるとその差は歴然です。

譜面上の表記は「W.C」もしくは「cho.」と書かれて片方だけに音の変化が指定されている場合が多いです。

2音のケースが殆どですが、稀に3和音の1番下の音をチョーキングするケースもあります。

ユニゾンチョーキング

ハーモナイズドチョーキングと似ているのですが、2音のうちの低音側の弦をチョーキングして高音側の弦の音に届かせるのがユニゾンチョーキングです。

再びゴミのような図で恐縮ですが、上の図は2弦10フレットと1弦7フレットを押さえ、2弦側を全音分チョークアップし、1弦の音に届かせる事を表しています。

こちらも「2弦12フレットと1弦7フレット押さえて鳴らせば良くね?」と思う方がいるかもしれませんが、最初から同じ音を鳴らしてしまっては意味が薄いですし、下の音を上の音に届かせるプロセスを踏む事によって ビブラート的な音のうねりを感じられます。
また、1弦7フレットと2弦12フレットだと結構なストレッチになるので弾きづらいです。

譜面上の表記はハーモナイズドチョーキングと同じで、「W.C」「cho.」と書かれて下の音にだけ音の変化が指定されている場合が殆どです。

チョーキングの練習法

チョーキングを効率よく身に付けるための練習法は、目的の音を最初に鳴らしてそれをイメージしてチョークアップするという方法です。

「何言ってるかよく分かりません」と思う方のために解説をしますと、
例えば3弦の5フレット(Cの音)の全音チョーキングを練習する場合、3弦7フレット(Dの音)を先に鳴らしてチョークアップした先の音を覚えてから3弦5フレットの音をチョーキングしてみる
という感じですね。

最初はどのくらい音を上げたら良いのか分からないと思いますので、ゴールを先に設定してあげる感じですね。

また、チョーキングでスケールを辿るという練習もオススメです。

上の図は2弦上に出来るCメジャースケールですが、要はスケールの1つ先の音に向かってチョーキングをする練習です。

全音チョーキングと半音チョーキングが両方練習できますし、スケールに則ることで音感も鍛えられますのでオススメです。

図のCメジャースケールのポジションはあくまで一例ですので、チョーキングしやすいポジションで練習してみて下さい。

チョーキングは痛い?

ギターを始めたばかりの人にありがちなのが、「チョーキングで指が痛くなる」という現象ですね。

金属製の細い線が指に食い込むわけですから痛いのは当たり前です。

しかし、人間の体はうまく出来ていて、ある程度練習を重ねると指の皮が厚くなって痛みを感じなくなるわけですね。

ペンだこなどになぞって「ギターだこ」を呼ばれるのですが、ギターだこが出来るまでは根気よく練習を続けてみましょう。(指が痛い時に無理は禁物です)

経験上、低音弦(4~6弦)で練習をすると痛みも感じづらくギターだこも出来やすいです。

トレモロ搭載ギターの場合は他弦の音に注意

シンクロナイズドトレモロやフロイドローズなどのトレモロ(アーム)搭載のギターは、チョーキングをする事でブリッジが少しだけ持ち上がります

ブリッジが持ち上がると何が起こるかと言いますと、全ての弦の音が下がってしまう(フラットしてしまう)わけですね。

単音のチョーキングの場合は良いですが、ハーモナイズドチョーキングやユニゾンチョーキングを行う際に、高音側の弦の音が若干フラットしてしまうリスクがあります。

このあたりは耳で判断するほかありませんが、「何か変だな」と違和感を感じたら高音弦を少しチョーキングしてあげると帳尻があったりします。

まとめ:チョーキング上達の近道は「耳を鍛える」

チョーキングについて私が持っている知識を全網羅してみました。

「意識する事が多すぎ!」
「チョーキングの種類多すぎ!」
とクレームが来そうですが、上達するために最も大切なのはチョーキングした先の音をしっかり捉えられるように耳を鍛える事です。

チョーキングで意識する事やチョーキングの種類なんて必要に応じて身に付いてきますので、しっかりと気持ち良い音まで上げられる事に重きを置いて練習に励んで下さい

チョーキングを練習する意味は「チョーキング何音上げられるか選手権」に出場するためでもなければ「何の音をチョーキングしているでしょうかクイズ」に答えるためでもありません。

チョーキングはギターで良い音楽を表現するための手段ですので、良い音を出すために頑張りましょう。

日々の練習に役立てていただけたら幸いです。