ギターソロがそれ程もてはやされる時代ではなくなりましたが、それでも「速弾き」はギタリストにとって1つのロマンですよね。
しかし、速弾きを練習していると
「なんか音がキレイじゃないな」
「音が潰れている感じがする」
「音源と雰囲気が違う」
という違和感を感じる方も多いのではないでしょうか。
今回は、速弾きで音がクリアに出ない原因と対策について解説していきます。
シンプルな改善策もいくつか紹介しますので、初心者の方はぜひ参考にしてみて下さい。
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速弾きで音がクリアに出ない原因と対策
運指とピッキングの不一致
速弾きでクリアに音が出ない原因の多くはこれですね。
要はタイミングが合っていないという事です。
きちんと押さえられていない時にピッキングをするとミュートされたり、ブラッシングやハーモニクスの音が鳴ってしまったりしてフレーズの勢いが妨げられてしまいます。
・コピーの場合は最初から原曲のテンポで弾こうとしない
・オリジナルの場合はテンポを落としてしっかり発音できるようにする
まずは上記を意識してみて下さい。
クリアに発音できるようになってから少しずつテンポを上げていきましょう。
誰も練習風景なんて見ていませんし、「あの人テンポ遅くして練習してる!ダッサw」とはなりません。
ライブや動画投稿などお披露目する場でキレイに弾けた方が良いに決まっていますし、お披露目の場が無いとしても、しっかり発音して早いテンポで弾ける方が達成感・満足度ともにアップします。
プラスアルファの要素として、押さえる際にフレット(金属)のすぐ手前を押さえるように意識して下さい。
12フレット以降のハイポジションは元々間隔が狭いので特に意識しなくても良いのですが、ローポジションでポジションマークの真上を押さえてしまうとピッチが下がったり、フレットに擦れる音(ビビり)が出る原因になります。
あわせて意識しましょう。
ピッキングの角度&深さ
ピッキングの角度や深さも速弾きをキレイに決めるために重要です。
ピッキングの角度が急すぎると弦を擦る音が入ってしまい、クリアな発音の妨げになります。(意図的に擦る音を入れる場合もありますが、一般的な速弾きではNG)
そして、ピックを入れる深さが浅すぎると音の迫力が薄れますし、深すぎると単純に弾きづらいです。
・ピックの当て方は「弦と平行」を意識
・ピックの深さは先端2ミリ程度を意識
これに関しては上記を意識するだけで変わってくるでしょう。
角度についてはジャストで「平行」にする必要はありませんが、ピックの側面ではなく表面を当てるという意識で練習をしてみて下さい。
深さについてもあくまで目安ですので、16分音符などを刻む練習でちょうど良いアタック音が得られる深さを見つけて下さい。
この2つがきちんと出来るだけでも音の粒立ちがグッと向上します。
以前にクロマチックトレーニングの記事も書いていますので、このあたりと併せて練習していただけたら良いかなと思います。
ピッキングの位置
速弾きをスムーズに弾くためにはピッキングをする右手の位置も大切です。
ネック寄り(フロント寄り)で弾くとピッキング時の弦の振幅が大きくなりますので、連続してピッキングをする際に弦を捉えずらい状態になります。
・センター~ブリッジ寄りでピッキングするように意識してみる。
ピッキング時の弦の振幅が小さくなるブリッジ寄りで弾く事で、小刻みなピッキングもヒットしやすくなり、速弾きもスムーズになります。
音を歪ませすぎ
速弾きで音にイマイチ迫力が感じられなかったり、音が潰れている感じがしたら歪ませすぎを疑いましょう。
速弾き系ギタリストの音作りを見てみますと、ソロの時のGAINは意外と低めです。(高い人もいますが)
・GAINを下げてみる。(つまみでいうと4か5くらいから調節)
GAINを下げると色々ごまかしが利かなくなりますので、最初は「弾きづらい!思うように音が出ない!」と思うかもしれませんが、そこでフォームをしっかり正す事で上達に繋がります。
また、ソロの音を作るときはミドルを上げるとバンド内で聴こえやすくなりますので、そこも意識してみると良いでしょう。(上げ過ぎると耳障りな音になるので注意)
速弾きのお悩み「コレ」で解決するかも
ここまでは主にフォームに関する基本的なポイントを解説してきましたが、ここからは「これを取り入れるだけで速弾きの悩みが解決するかも?」という要素について解説していきます。
ピックを変える
これは荒療治的な方法ですが、ピックを変えると今まで弾けなかったフレーズが弾けるようになったりします。
「一人前のギタリストはどんなピックでも弾けないとダメだ!」という考えは一旦捨てて、速弾きしやすいピックを試してみましょう。
定番どころでいえばジムダンロップのJAZZⅢですかね。
ピック選びのポイントは
・サイズが小さい
・厚さは1mm前後
・先端がシャープ
あたりでしょうか。
普段トライアングルのピックを使用していると、速弾きのしやすさにビックリするかもしれません。
弦のメンテナンスをしっかりする
練習後の弦のメンテナンス、しっかりやってますか?
クロスで拭き取らず、フィンガーイーズなども使用せずに練習を繰り返していると弦の滑りが悪くなり、フィンガリングに支障をきたします。
弦の滑りが良いだけでも速弾きのプレイアビリティは格段にアップしますので、メンテナンスもしっかりしましょう。
また、弦の劣化もクリアな音の妨げになりますので、定期的に弦交換を行いましょう。
ギターの構える位置を変えてみる
これは座って練習する際の解決策ですが、右利き用ギターの場合は右足にギターを乗せて練習をする人が多いかと思います。
しかし、右足にギターを乗せるとピッキングする右腕が窮屈になり、速弾きだけでなくストローク全般に支障をきたします。
試しに左足にギターを乗せてみて下さい。
ピッキングをする右腕の振れ幅に余裕が生まれ、ピッキングが格段にしやすくなります。(ピックの角度も弦と平行に近くなります)
また、左足にギターを置くと、立って弾く時のポジションに近くなりますので、「座ってなら弾けるのに立ったら弾けない」というある種のギタリストあるあるを克服する事にも繋がります。
これについては下記の記事で詳しく書いてます。
まとめ
というわけで、速弾きで音がキレイに出ないという悩みを持っている人に向けて、原因と対策、ハードウェアや練習環境の改善策などについて書いてきました。
慣れるまでは違和感を感じるかもしれませんが、正しいフォームを早めに身に付けておくと難しいフレーズにチャレンジする際のハードルも下がりますので、今回書いたことは頭に置いておくなり実践していただけると良いかなと思います。
演奏を聴く側はもちろんですが、速弾きの音がキレイだと弾いている側のテンションも上がりますし、上達への意欲も増すというものです。
ぜひ参考にしてみて下さい。