周りの演奏に合わせて自由自在にフレーズを奏でる「アドリブ」に憧れる初心者ギタリストは多いはずです。
しかし、「アドリブってどうやったら上手くなるの?」「何から始めたら良いの?」とモヤモヤしている人も多いでしょう。
そこで今回は、エレキギターのアドリブ演奏を上達させるためのポイントや、具体的な方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
音楽理論の基礎を学ぶ
スケールとモード
エレキギターのアドリブを行う際に最も基本的な要素の1つがスケール(音階)です。
メジャースケール、マイナースケール、ペンタトニックスケール、ブルーススケールなど、様々なスケールのパターンを理解し、指板上に音のポジションが浮かぶようになれば、アドリブ上手なギタリストへの道が一気に近付きます。
ただ、すべてのスケールの構成音を理解するのは至難の業ですので、スケールごとにフォームで覚えて、キーに合わせて使い分けるのが良いでしょう。
モード(チャーチモード/教会旋法)の理解もアドリブにおいて重要です。
モードは、特定のスケールの異なる開始音から始まるパターンで、例えば、Cメジャースケールを例に取ると、2番目の音から始まるDドリアン、3番目の音から始まるEフリジアンなどのモードスケールが存在します。
モードの理解については、活字で勉強するよりも実際に音を出して体感した方が身に付きやすいので、とりあえず「ドレミファソラシド」を、「レミファソラシドレ」のDドリアンスケール、「ミファソラシドレミ」のEフリジアンスケールで弾いてみて、音の並びから発せられる雰囲気の違いを感じましょう。
コードやコード進行の理解
アドリブは、単にスケールの音を自由気ままに弾くだけではなく、後ろで流れているコード進行やコードの音を理解することも大切です。
ブルースやロック系のコード進行は比較的シンプルですが、ポップスやジャズなどはコードそのものやコード進行が複雑なケースがあるため、それぞれのコードに対してどのスケールやモードが適しているかを理解する必要があります。
コードの構成音を理解すれば、コードトーンに沿ったアドリブや、あえてスケールアウトさせる(音を外す)アドリブなども出来るようになりますので、スケールだけでなく、コードも頭に入れておきましょう。
リスニングとコピー
お気に入りのギタリストのプレイを聴きこむ
アドリブの上達にはリスニングが不可欠です。
著名なギタリストの音源を無作為に聴き漁るのも1つの手段ですが、お気に入りのギタリストのプレイの方が繰り返して聴きやすく、分析のモチベーションも高まりますので、お気に入りのギタリストのプレイを聴きこみましょう。
コード進行が書いてあるスコアなどを見ながら、「このコード進行だからこういうギターソロを弾いてるのか~」と考えながら完コピを目指すことで、コードに合ったフレージングが自然と身に付きます。
お気に入りのギタリストの手癖などを軸にアドリブを組み立てることは恥ずかしいことではありませんので、好きなギタリストの手癖はどんどん取り入れましょう。
耳コピ&書き出し
お気に入りのギタリストの音源を聞く際に、フレーズを耳コピしてノートなどに書き出すこともアドリブの練習法として効果的です。
1音ずつでも聴き取って記録していけば、フレージングの練習だけでなく、耳のトレーニングにもなります。
最近はYouTubeなどにアップされているプレイ動画でポジション確認ができますが、あえて自分の耳で聴いて書き出すことによって、より記憶に残りやすくなると私は考えます。
実践と練習
ジャムセッション
バンドメンバーや音楽仲間などでのジャムセッションは、アドリブ上達の最適解と言っても過言ではありません。
空気を読むことがアドリブの最も重要なポイントですので、リズムやコード進行を意識しつつ、頭に浮かんだフレーズをアウトプットしましょう。
ある程度の技術や知識を身に付けたら、あえて玄人集団の中に飛び込んで、緊張感を感じることも大切です。
フリー音源やバッキングトラックを使う
自宅でアドリブ練習をする場合は、歌が入っていないフリー音源やバッキングトラックなどを活用するのがおすすめです。
また、手軽に歌が入っていないカラオケ音源を作れるアプリなどもありますので、好きな曲をバックにアドリブを練習したい人は活用しましょう。
フリー音源やバッキングトラックに関しては、インターネット上に数多く転がっているため、好きなジャンルのものを選んでダウンロードしてみてください。
フレーズの繰り返し練習
特定のフレーズやリックを繰り返し練習することもアドリブ上達には重要です。
アドリブというと、バックの演奏に対してゼロから生み出すイメージがありますが、基本的には好きなフレーズを当て込んでいく作業です。
好きなフレーズを繰り返し練習し、引き出しを増やしておきましょう。
メンタル面の強化
自信を持って弾く
アドリブ演奏において、自信を持って弾くことは非常に重要です。
自信なさげに弾いていると、周りのプレイヤーやお客さんなどにも伝わりますので、自信を持って最後まで弾ききりましょう。
慣れないうちは音を外しがちですが、音を外したからといって動揺を表に出すのはNGです。
ジャムセッションやライブなどの場数で自然と自信はついてきますので、間違えた時ほど前を向いて自信満々の表情で弾きましょう。
知識や創造性を養う
アドリブは、プレイヤーの知識や創造性が試されますので、新しい音楽を聴いたり、異なるジャンルの音楽に触れたりするなど、常に多方面にアンテナを張るようにしましょう。
好きなギタリストやバンドの音楽だけでなく、テレビから流れてくるBGMやゲームの音楽、お店などで流れている音楽など、フレージングのヒントはあらゆる音楽に転がっています。
また、絵画などのアートに触れることによってインスピレーションが掻き立てられるケースもありますので、美術館などに足を運んでみるのも良いでしょう。
まとめ
エレキギターのアドリブ演奏を上達させるためには、音楽理論の理解、リスニングと模倣、実践と練習、そしてメンタル面の強化が重要です。
これらの要素をバランスよく取り入れながら、継続的に努力することで、あなたのアドリブ技術は飛躍的に向上するでしょう。
ギターを手に取り、自由な表現を楽しみながら、音楽の世界を探求してみてください。